Digitalis

James Tyler Kent著ホメオパシーのマテリア・メディカ講義

沿革:旧派によるこの薬の使用は、彼らのマテリア・メディカ中のどの単一薬物よりも多くの害をもたらしてきた。心拍が速い患者、あるいは心臓に何らかの異常がある患者には、誰にでも Digitalis が投与された。

これは、どの薬物よりも多くの死を引き起こしてきた。心臓が速く動いているときに投与すれば、ほどなく特有の麻痺状態を生じる。そのとき心臓は調速輪を失ったようになり、代償機能が破綻し、患者は衰弱してついには死亡する。

彼らが用いてきたように、チンキ剤を一回に何滴も、心拍が遅くなるまで投与しなければ、発熱、肺炎、その他の急性疾患を切り抜けて生き延びたはずの患者が多数いたことを、彼らは知らない。

彼らはこれを鎮静薬と呼ぶ。確かに鎮静薬である。患者を非常に静かにする。葬儀屋の手にかかり、最上の衣服を着せられた後の患者が、いかに静かな様子に見えるかを諸君は見たことがあるだろう。それが Digitalis のすることである。その意味で、アロパシー医の手にあるこれは鎮静薬である。ホメオパシー医は、脈拍を下げるために処方することは決してない。患者に対して処方すれば、心臓の働きは自然に整う。

Digitalis は、発熱に対しては非常に乏しい薬である。脈拍が速いときに適応するのではなく、そのプルービングは、脈拍が遅いときに適応することを示している。アロパシー医は、速い脈拍を遅くするためにこれを投与する。健常者に投与すれば脈拍を遅くし、病人に適応する場合にも脈拍は遅い。

肝臓

これは肝臓に大きな障害を生じる。

「肝臓のうっ血および腫大。

肝臓部の痛み。」

肝臓周囲の圧痛――しかし、その間、脈拍は遅い。腸の働きを非常に鈍くし、肝臓の不活発を生じ、便は胆汁を欠いて色が淡く、パテ状である――そして脈拍は遅い。

これに黄疸を加えれば、Digitalis の見事な像が得られる。すなわち、遅い脈拍を伴う黄疸、肝臓部の不快感、淡色便であり、たとえそれまで Digitalis を見たことも聞いたこともなくても、これを見逃すことはまずないだろう。さて、無数の小症状を加えることもできるが、それで全体像が変わるわけではない。これは Digitalis である。

Digitalis の心臓、Digitalis の肝臓、および Digitalis の腸に伴うもう一つの症状群は、胃内の空虚で沈み込むような感覚である。まるで死ぬかのように感じ、食べても好転しない。これは、多くの心臓障害に伴って現れる、神経性で死にそうな沈下感である。

Digitalis に著しい神経衰弱が見られても驚くには当たらない。落ち着きのなさと著しい神経性の脱力。

「ばらばらに飛び散りそうに感じる。

不安。

何かが起こりそうに感じる。」

全身が不安感と落ち着きのなさで満たされているかのように見える。倦怠、失神しそうな感覚、疲労、および極度の衰弱。ごくわずかな誘因でも失神する。それは胃から始まり、胃と腸に恐ろしい脱力感がある。

睡眠

睡眠は恐ろしい夢、悪夢、恐怖に満ちている。落下する夢を見るが、これは心臓疾患に非常によく見られる。脈拍が遅すぎるとき、また不規則なときには、睡眠中の脳への血液供給が不規則になり、騒乱状態が生じる。

電撃のような衝撃が全身を走り、内部で急に引きつるように、ぴくつく。電流が全身を通過したかのような、突然の筋運動。これは遅い脈拍、失神しそうな感覚、および著しい脱力を伴う。ときどき心臓発作に苦しむ人では、唇が青みを帯びて蒼白となる――ときには脈拍が止まりそうに見える。顔が青くなり、指も青くなる。仰向けに寝たがる。睡眠中にしばしば驚いて目を覚ます。夜間の引きつり。

心臓症状は多数あるが、遅い脈拍ほど重要なものはない。症例の初期には脈拍が遅い。今では稲妻のように速く走っていることもある。

脈拍:患者は不安で落ち着かず、恐ろしい夢を見て、胃に沈下感がある――これは Digitalis の進行期のように思われる――しかし私は、初期に脈拍が遅かったかどうかを知りたい。

患者自身が知っていることはまれだが、誰かが初期の脈拍は48だったと言うなら、それは Digitalis である。初期の脈拍が速かったなら、Digitalis を考えてはならない。何の効果もないからである。

Digitalis の脈拍は初め遅く、おそらく何日間もそのままであるが、ついには心臓が震えるように動き始め、不規則に拍動し、結滞し、止まりそうに感じられ、その後、これらの奇妙な徴候がすべて現れる。

脱力こそが Digitalis の脈拍の本質的特徴であり、これらの特徴はすべてそれに伴う。初めは遅く、ときには強い。リウマチが心臓を侵そうとしているときの、遅く強い脈拍。

「激しい。しかし、それほど速くない脈拍。

突然の激しい心拍動と、リズムの乱れ。」

ごくわずかな動作でも不安と動悸が増悪する。脈拍が非常に遅く、ときには40まで下がっているとき、患者が頭を動かすと、脈拍が震えるように乱れて速くなる。寝床で寝返りを打つと、心臓が止まりそうに感じる。動くと全身でそれが震えるように感じ、その後は落ち着いて再び遅くなる。しかし、ついには変化して絶えず震えるように乱れる。

悲嘆から生じる心悸亢進。心臓が停止したかのような突然の感覚。心臓が震えるように乱れる。弱った心臓では、わずかな筋肉労作でも心臓の働きが努力性となり、結滞する。

肝臓が腫大し、脈拍が遅く、黄疸と淡色便がある人。それとともに、厄介な咳が現れる。Digitalis は、心臓性の咳でない限り、咳に対してそれほど有力な薬ではない。

真夜中の咳。「煮た澱粉」のような喀痰を伴う咳。肺の沈下性うっ血における、血性粘液の喀出を伴う咳。

会話、歩行、冷たいものを飲むこと、身体を曲げることで誘発される咳。これらは他の障害に関連する咳である。

呼吸

呼吸についても同じことが言える。心臓障害および肝臓障害に伴って、呼吸困難がある。

「呼吸は不規則で、非常な困難を伴って行われる。

深呼吸をしたいという絶え間ない欲求。

眠りに入ると呼吸が消えていくように感じ、その後、あえぎながら目を覚ます Lachesis, Phosphorus, Carbo veg. およびほかのいくつかの薬にもこれがある。特に小脳に作用し、小脳のうっ血を生じる薬である。

患者が眠りに入ると、大脳は小脳に言う。

「さあ、しばらくこの呼吸を続けてくれ。私は疲れてきた。」

しかし小脳には、その役目を果たす力がない。小脳はうっ血しており、大脳が休み始めるや否や、小脳も眠りに入り、患者を苦しむままにする。このようにして窒息が生じる。睡眠中の呼吸は小脳がつかさどり、患者が覚醒しているときの呼吸は大脳がつかさどる。たとえ以前にこれを見いだしたことがなくても、薬物のプルービングから学ぶことができるだろう。

「夜間、窒息することへの恐怖。」

さて、これを分析しよう。患者は経験から、眠りに落ちるたびに窒息することを知っており、それゆえ窒息するのを恐れて、眠りに入ることを恐れる。夜間の窒息への恐怖は、このことに由来する。昼間に眠りに落ちても同じである。

「あえぐようにしか呼吸できない。」

Digitalis は、肺下部が満たされている状態に有用な薬である。患者は寝床で上体を起こしており、両肺の下部には濁音があり、上部には十分な共鳴音がある。その場合、横になると窒息する。肺が満たされていないとき、Digitalis の患者はたいてい枕を用いず、平らに仰向けで寝ることを好む。しかし沈下性うっ血があると窒息する。症例の初期に脈拍が遅く、その後速くなったのであれば、Digitalis がいくらか有益なことがある。

泌尿器

さて、泌尿生殖器に関連する一つの特徴がある。前立腺腫大の陳旧例では、Digitalis なしでどうすればよいのか私には分からない。絶えず排尿したくなる煩わしい刺激がある場合である。

自然な方法で排尿できないため、数か月または数年間カテーテルが使用されてきた多くの例、また老独身者や老人に残尿がある場合、Digitalis は良い薬である。

これは前立腺の大きさを減少させ、何度も治癒させてきた。

「尿抑制を伴う水腫。」

尿毒症性中毒および腎臓の Bright's disease のさまざまな病期において、Digitalis を示す症状が見られる。尿閉。尿の滴下。精液漏。夜間の遺精。長年にわたり秘かな悪習に耽ってきた人。前立腺腫大。

慢性淋病を治癒させることができる。急性淋病を治癒させたこともある。陰茎亀頭を覆う、薄く繊細な膜の炎症を治癒させたこともある。生殖器の水腫性腫脹。

食物 :「食欲喪失と激しい口渇。」

患者が多量に飲み、ほとんど食べないと、多くの医師は Sulphur を投与する。Digitalis の悪心は、Ipecac のそれ とは異なり Bryonia のそれとも異なる。これは特異な悪心である。食物の匂いが、死にそうな悪心、沈下感、空虚感を誘発し、それは心臓障害、黄疸、および肝臓障害に関連している。

悪心には、沈み去るかのような死にそうな感覚が伴う。悪心は食べることで軽快することもあるが、沈下感は食後も残り、単なる空腹とは別のものであることを示す。

「持続する悪心。

心窩部の極度の過敏。

死ぬかのような、心窩部の失神しそうな感覚と沈下感。

食欲はないが、強い口渇がある。

肝臓部の痛みと硬さ。

肝臓部の圧迫に対する過敏。」

さて、肝臓症状と心臓症状、黄疸、遅い脈拍、胃の恐ろしい沈下感、前立腺腫大、灰色便を覚えておけば、Digitalis の主要症状を把握できる。

私が述べたことをすべて考えれば、Digitalis の患者が常に抱えている恐ろしい不安にも驚かないだろう。

一人でいたがる。悲哀、憂鬱、落胆、および落ち着きのなさ。なすべきことについて何一つ決められない。震えやすさ。

胃、腸、および肝臓の障害は、大酒家が断酒を試みた後にときどき見せるものとまさに同じである。患者は衰弱し、心臓は力尽き、その働きは不規則で弱く遅い。そして悲哀と憂鬱があり、物事に専念できない。Digitalis は、患者が立ち直るのを助ける。

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